まちライブラリーとは
まちライブラリーは、「本」を通じて「人」と出会うまちの図書館です。
個人や団体が、自宅や店舗、病院、学校などの一角に本棚を設置して本の貸し借りなどを行う場として全国に広がり、今では図書館や公共施設、商業施設、サービス付き高齢者住宅などにも広がっています。
多様な人たちがそれぞれの想いをもって展開する活動になっています。

kintone導入前の課題
まちライブラリーでは、一般社団法人まちライブラリーが運営を委託されている拠点毎の現場スタッフが、「来場者数、新規会員数、貸出数、返却数」等活動データの日報報告を行ってますが、本部スタッフが日報データをメールで受信して、表計算ソフトに転記&集計して、代表者に報告するという業務が毎日行われていました。
メールによる日報報告は、現場のスタッフやアルバイトでも投稿できるので権限管理が難しく、日報の書式もバラバラで統一感が無く、日報内容の表計算ソフトへの転記と集計作業が煩雑であるという課題がありました。
また、本の貸出以外に、多様な人たちが活動できる拠点として、イベント企画の開催申請の事務手続き(企画書の受領⇒審査・承認⇒実施報告)もメールで行ってましたが、申請の受理⇒承認手続き⇒実施報告のワークフローをメールで行うには、手続きが煩雑過ぎて限界を感じていました。
kintone導入のポイント
会員管理と本の貸出管理は、専用システム(リブライズ)を利用していますが、日報報告・集計とイベント企画管理の手続きは、メールと表計算ソフトで運用していました。
しかし、拠点の増加とイベント企画の回数増加で、メールでの運用に限界を感じていました。
新しいシステムを導入する条件として、①表計算ソフトの情報資産を活用できる、②自由なレイアウトでアプリを作れる、③申請⇒承認のワークフロー機能がある、④ユーザーのアクセス権が管理できる、⑤専門家が居なくても使える(重要!)、等を前提に、色々なシステムを検討したところ、kintoneに辿り着きました。
特に、日報データの報告をメールからkintoneアプリに移行することで、入力書式を標準化出来る、送信ミスも無くなる、投稿の権限を管理できる、明細の検索が簡単、集計も自動化される点がポイントでした。
イベント企画の申請⇒承認手続きも、メールの運用に限界を感じていましたので、kintoneアプリで承認手続きの仕組みが簡単に構築できることも、大きなポイントでした。
kintone導入の効果
実際には、2021年12月からkintoneを導入し、日報と企画イベント管理の業務を移行しました。
日報をメールからアプリに移行
日報のアプリ化により日報の書式が標準化・マニュアル化されたことで、報告項目の漏れが少なくなり、メール確認と表計算ソフトへの転記作業が無くなり、報告内容のチェック、集計作業の自動化、代表者への報告もアプリで情報共有することが出来ました。

この結果、表計算ソフトへの入力や集計作業の時間削減と、月間300件以上発生していた大量のメール送受信件数が80%以上減少する等、スタッフの事務作業負荷を大幅に削減することができました。
イベント企画の申請をWEBフォーム化し、承認作業をワークフロー化
イベント企画の申請は、まちライブラリーの会員がメールで事務局宛に申請していました。
このメール申請をWEBフォーム化して、入力内容をkintoneのアプリに自動転記する仕組みを、kintone+FormBridge(フォームブリッジ)で実現しています。
新規登録された申請内容をkintoneのプロセス管理機能で管理者が「承認」する仕組みを構築できました。

- 会員が、WEBフォームで「企画イベント」の内容を登録すると、kintoneアプリに自動登録されます
- 新しいイベント企画申請が登録されると、kintone通知機能で事務局に通知されます
- kintoneのプロセス管理機能で、申請内容を「審査中」に変更すると管理者の「承認待ち」になります
- 管理者は、kintoneの通知機能で「承認待ち」の発生件数を把握して、アプリで「承認」を行います
- 申請が「承認」されたら、事務局が申請者に連絡します。
- 企画イベントが実施された後、実施内容をkintoneアプリに登録して管理者に報告します
現在は、この仕組みで、イベント企画申請のWEBフォーム登録、「承認」待ちの状況把握、実施後の実施内容報告等が、kintoneアプリ上で完結できるので、メールでの運用と比較すると運用が簡単になりました。
今後の展望
現在利用中の業務アプリは、標準機能と外部連携サービス(FormBridge)だけで構築しており、プラグインやJSカスタマイズは利用していません。
複数拠点の情報共有、日報報告、申請承認フロー等は、kintoneの標準機能だけでも十分実現可能でした。
今回、ご紹介した事例以外にも、「経費申請」や「備品管理」などのアプリも増えており、kintoneが業務管理の共通インフラになりつつあります。
今後、さらにkintoneを活用して挑戦してみたい分野に「会員登録」業務の省力化があります。
まちライブラリ―の新規会員登録は、紙の申込書とプラスチック製カード発行で行っていますが、カードの番号(会員番号)と顧客情報(紙の申込書内容)を会員システムに登録する作業負荷が大きくて、新規会員の増加件数に入力作業が追いついていないのが現状です。
kintone+FormBridgeで会員登録専用のアプリとWEBフォームを活用
将来取り組みたいのは、kintone+FormBridgeで会員登録専用のアプリとWEBフォームを活用する方法です。
会場で、お客様のスマホ(又は事務局のタブレット)で会員登録専用のWEBフォームのQRコードにアクセスして、必要事項を自分で入力して頂き、本人確認書類も写真撮影を添付して登録出来たらカードを発行するという手順です。この方法なら、お客様が自分で入力した新規登録会員のデータをkintoneアプリに蓄積できます。
これをcsvファイル経由で会員管理システムにインポート出来れば、事務局スタッフが手入力している大変な作業を無くすことができるかもしれません。
もしもこれが実現出来たら、kintone活用の幅が益々広がりそうです!
