~複合キー・入力削減・検索集計にも役立つカスタマイズ事例~
📢 はじめに:小さな「不便」を感じていませんか?
kintoneを業務に活用していると、「あと一歩、こんなことができたらもっと便利なのに…」という場面に出くわすことはありませんか?
たとえば、
- 「種類」と「商品コード」を組み合わせた複合キーで登録したいけど、重複チェックができない
- 入力したデータを別のフィールドでも初期値として利用したいけど、毎回コピペは面倒
- 自動計算フィールドの値を検索や集計グラフで日付として利用できなくてモヤモヤ…
実は、こうした「kintone標準機能のちょっと惜しいところ」を補えるカスタマイズ方法があります。
それが今回ご紹介する、「フィールド間の値コピー」です。
🤔 よくある悩み:複合キーの登録と、入力の二度手間
特に商品マスタや部品マスタの管理をしている卸売業・製造業では、こんな課題がよくあります。
✅ 商品コードが重複してしまう…
たとえば、「A123」という商品コードが複数の分類に存在する場合、商品コード単体では重複が発生してしまいます。”種類+商品コード”の複合キーが使えたらいいのに・・・
標準機能の文字列1行型の自動計算するオプションで文字の連結表示は出来ますが・・・
自動計算フィールドでは、重複チェックができないという制限があるのです。
「値の重複禁止」という設定項目は、文字列1行型とリンク型フィールドでしか設定できません。
✅ 同じ情報を別のフィールドに転記するのが手間…
チェックボックスやラジオボタンの選択値を、表示用の文字列に変換して別フィールドの初期値としてコピーして利用したい。でも、毎回手作業でコピペするのは、ムダな時間がかかる作業です。
✅ 自動計算の日時を検索キーやグラフの集計キーに使えない…
計算(CALC)型フィールドでは、”日時フィールドの値 ± 秒数”の計算式で過去や未来の日時を計算して表示できますが、フィールド値はUNIX時刻(UTC-協定世界時1970年1月1日午前0時からの経過秒数)の数値なので、フィルター検索やグラフ集計のキー指定では数値扱いで日時データとして認識してくれません。
この計算結果の値では、年月日の範囲指定の検索や、日・週・月別の集計グラフの作成が困難になります。
文字列1行型(自動計算する)でDATE_FORMAT関数を用いた計算結果も日時に見えても値は文字列です。
そのままではフィルター検索や集計グラフのキー指定には使えません。
■DATE_FORMAT関数でJPN日時の計算式の例:
DATE_FORMAT(日時 + (60*60*24), “YYYY-MM-dd HH:mm”, “Asia/Tokyo”)
■DATE_FORMAT関数でUTC日時(ISO形式)の計算式の例:
DATE_FORMAT(日時 + (60*60*24), “YYYY-MM-ddTHH:mm:ssZ”, “Etc/GMT”)
📝 フィールド間の値コピーとは?
このカスタマイズの機能はとてもシンプルです。
フィールドの入力値や、自動計算された結果を、別のフィールドに自動的にコピーするだけです。
✔️ たとえばこんな流れ:
- 「型番:ABC」と「商品コード:1230」を入力
- 自動で「商品検索キー」に「ABC-1230」がコピーされる
- 「商品検索キー」に「重複禁止」を設定して、二重登録を防止!
✔️ 他にもこんな使い方が可能:
- ドロップダウンの入力値を、文字列1行型フィールドの初期値としてコピー表示する
- 複数選択(チェックボックス)の結果を、「L, XL, XXL」のように文字列化してコピー
- 計算型フィールドの値を数値型や日時型フィールドにコピーし、グラフの集計キーや検索キーに活用する
このように、ちょっとした工夫次第でkintoneの活用幅が大きく広がります。
✔️ デモ画面
以下のデモ画面では、計算_商品検索キー(文字列1行型・自動計算)で型番と商品コードを連結した計算結果の値を商品検索キー(重複禁止設定)にコピーしています。ラジオボタンやチェックボックスの値も通常の文字列1行型フィールドに設定しています

🏭 実際に使われている現場の声
このカスタマイズは、卸売業の商品マスタ管理や、製造業の部品マスタ管理の現場で導入されています。
❔ 導入前の課題:
- 商品コードだけではユニークにならず、同じコードで何度も二重登録されてしまう
- 自動計算で表示はできても、重複チェックができずに困っていた
- 同じ入力内容を別フィールドに手動でコピペして入力する手間が発生している
- 計算型フィールドの値は、集計グラフの集計キーに使えない
✅ 導入後の効果:
- 「型番+商品コード」の複合キーを重複禁止で登録できるようになった
- チェックボックスや計算結果の再利用で入力の手間が半分に!
- 入力ミスや登録エラーも激減し、データ品質が向上
- 計算型フィールドの値を標準フィールドにコピーして、集計キーとして活用可能に!
同じ内容をコピペする手間が省けて「作業時間が50%短縮された」等、現場改善の効果大です。
📌 標準機能だけでは難しいことも、これで解決!
kintoneの標準機能には多くの便利な設定がありますが、「あと一歩足りない」部分もあります。
たとえば…
❌ 自動計算フィールドの値は集計キーに使えない?
計算(CALC)型フィールドで自動計算された値は、グラフの集計キーやフィルター検索の検索キーに使いにくいという問題があります。
📊 コピーすれば検索・集計グラフができる!
このカスタマイズを使えば、計算結果を通常の日時型や数値型フィールドにコピーできるので、
日付別グラフの集計や、「この日付より後」といった検索が可能になります。
✅ 「ちょっとした工夫」で、業務がここまで変わる!
このカスタマイズは、コード的にはシンプルな仕組みですが、現場にもたらす効果はとても大きなものです。
- データの信頼性が上がる(コピー元の値を確実にコピーできる)
- 入力のスピードが上がる(自動コピーで入力負荷が軽減)
- 再利用しやすくなる(手作業のコピペや入力が不要!)
- 手入力のミスが減る(手作業のコピペや入力が不要!)
まさに、「kintone標準の弱点を、簡単に補える」実用的なカスタマイズです。
🎯 まとめ:kintoneをもっと使いやすく!
このカスタマイズは、以下のメリットがあるので、業種を問わずさまざまな場面で活躍します。
- フィールド値のコピー機能は、入力のムダとエラーを減らす強力な仕組み
- 初期設定以外の難しい操作は不要、初心者ユーザーでも安心して使える
- 商品マスタ、部品管理、日付管理、コピペ入力の自動化など…いろんな場面で役立つ
今の業務に、もう一歩の「便利」を追加してみませんか?
💪 皆さんも、本カスタマイズを実装したkintone画面で、その変化を実感してみてください!
🔨 自分でカスタマイズしてみたい方へ
以下のNote記事で本記事のカスタマイズ事例を紹介しています。
記事内で紹介しているカスタマイズコードは、無料で利用できるので是非挑戦してみて下さい。
「note:アプリ活用研究会(キン活)」は、当サイトのメンバーが執筆しています。

🌸 アプリテンプレートの販売
この記事で紹介したカスタマイズ機能のアプリテンプレートをサポート契約先限定でご提供しています。
アプリテンプレートを利用すれば、デモ画面の様に動くアプリを簡単に導入できます。
設定方法や操作方法もサポート対象です。

サポート契約の料金体系
| 簡易サポート | 会員サポート | |
|---|---|---|
| 料金 | 税抜(1,000円×ユーザー数)/月 | 税抜(5,000円×ユーザー数)/月 |
| サービス内容 | プラグインとテンプレートの利用 | kintone運用の伴走支援 |
| プラグインと テンプレートのご利用 | 5種類まで | 無制限 |
🧩 プラグインのご紹介
当社が開発した、フィールド間の値コピープラグインをご紹介します。
計算型(CALC)フィールドの計算結果も数値型や日付型フィールドへのコピー対象にできます。
Javascriotカスタマイズは、少しハードルが高いです💦 という方はこちらもご検討下さい。
🏫 kintone人材育成研修
この様なカスタマイズを自分で出来る様になりたい方は、当サイトの「Kintome人材育成」上級コースの受講をご検討して下さい。当サイトのTIPSで紹介しているカスタマイズ例のテンプレートを使えば、簡単に実装出来ます!
上級コースの受講者には、特典で当サイトのカスタマイズテンプレート(3種類まで)と3か月のサポート契約を無償でご提供しています。
研修目的を「カスタマイズテンプレートのアプリ導入」とする研修メニューもご提案可能です。

📣カスタマイズ・導入支援いたします!
本記事の様な「kintoneアプリのカスタマイズ」をご希望の企業様へ
kintoneを便利に活用できるカスタマイズと運用支援は、ぜひ当社にご相談ください!

#kintone #Javascript #カスタマイズ

