kintoneでレコード一覧を使っていて、こんな場面に困ったことはありませんか?
「全社共有のアプリだから、みんなのデータが全部見えてしまう…」
「自分が担当している部署のデータだけをパッと確認したいのに、毎回自分で絞り込み条件を設定しないといけない」
「複数の部署を兼任しているメンバーだと、標準の『優先する組織』の絞り込みでは片方の部署しか出てこない」
こうした悩みを解決するのが、今回ご紹介する、ユーザー組織で絞り込み表示プラグインです。難しい設定は不要で、ドロップダウンを3つ選ぶだけで、ログインした人が所属している組織(部署・拠点など)のレコードだけを自動的に一覧表示できるようになります。
このプラグインで解決できる問題
1. 「優先する組織」だけでは足りない
kintoneの標準機能には、ログインユーザーの「優先する組織」でレコードを絞り込む仕組みがあります。しかし、これはあくまで1つの組織が対象です。営業部と企画部を兼任している、といった複数の部署に所属しているメンバーは、標準機能だけでは自分が関わる全部署のデータを一度に見ることができません。
このプラグインは、ログインユーザーが所属するすべての組織を自動で取得し、それらすべてに該当するレコードをまとめて表示します。
2. 「組織選択」フィールドは、URL操作で絞り込みが効かない
kintoneには、部署や拠点を選ぶ「組織選択」というフィールドがあります。実はこのフィールド、通常のURL操作による絞り込みではうまく条件が効かず、絞り込んだつもりが全件表示になってしまうという、少し厄介な性質を持っています(組織には親子関係があり、その解決処理がURL側の仕組みでは行われないためです)。
本プラグインは、この組織選択フィールド特有のクセに対応した仕組みで組み立てられているため、組織選択フィールドでも狙いどおりに絞り込み表示ができます。
3. データが多いと、絞り込み表示が遅くなる
該当するレコードが数百件、数千件と増えてくると、絞り込み処理そのものが重くなったり、そもそも表示できなくなったりすることがあります。本プラグインは1万件を超えるような大量データにも対応できる取得方式を採用しているため、全社共有の大規模アプリでも安心して使えます。
プラグインの実行のデモ画面
実際の画面イメージは、次のような流れになります。

- アプリの一覧画面を開く
ログインユーザーが対象のビューを選択すると、プログレスバーが表示され、「読み込み中:◯件 / ◯%」といった進捗が一瞬表示されます。 - 自動で絞り込まれた一覧が表示される
読み込みが完了すると、ログインユーザーの所属組織に該当するレコードだけが一覧として表示されます。画面右上には「該当件数:◯件」という表示があり、今何件のデータが表示されているかが一目でわかります。 - 行をクリックすると詳細画面へ
一覧の行にマウスを合わせると色が変わり、行のどこをクリックしても、その行のレコード詳細画面に移動します。セルの微妙な位置を狙う必要がありません。 - 列見出しをクリックして並び替え
列の見出し(例:「担当部署」「更新日」など)をクリックすると、昇順・降順が切り替わり、見出しに▲▼マークが表示されます。再読み込みなしでその場で並び替わるため、サクサク操作できます。 - オプション機能で、既定の「(すべて)ビュー」を非表示にする機能jもあります。
普段見慣れたkintoneの一覧表とほぼ同じ見た目のまま、「自分の所属組織のデータだけ」に自動で絞られている、というのが最大のポイントです。
プラグインの特徴
プラグインの設定方法
設定はドロップダウンの選択のみで完結し、HTMLやコードを書く必要は一切ありません。

- お手本となる一覧(参照ビュー)を用意する
表示したい列がすでに設定されている、通常のLIST形式のビューをひとつ用意します。(すでにある一覧をそのまま使ってOKです) - 絞り込み結果を表示するビューを新しく作る
一覧のビューをもう1つ追加し、形式を「カスタマイズ」に設定します。これが、絞り込み結果が表示される場所(対象ビュー)になります。 - プラグインを追加し、3項目を設定する
プラグインの設定画面で、以下の3つをドロップダウンから選ぶだけです。- 対象ビュー:絞り込み結果を表示するビュー(手順2で作成したもの)
- 参照ビュー:列構成のお手本にするビュー(手順1で用意したもの)
- 組織選択フィールド:絞り込みの基準にするフィールド
- 既定の(すべて)ビューを隠す
kintoneアプリで既定の(すべて)ビューを開くことが出来ないように、一覧表選択リストから非表示にして隠すオプション機能があります。 - 保存すれば設定完了
あとは対象ビューを開くだけで、自動的にログインユーザーの所属組織で絞り込まれた一覧が表示されます。
⚠️ 対象ビューと参照ビューは、必ず異なるビューを指定してください(同じビューを指定するとエラーになります)。
⚠️ アプリに組織選択フィールドが存在しない場合は、設定画面に警告が表示されます。
プラグインの活用事例
- 営業案件管理での「自部署ビュー」
案件管理アプリで、自分の所属部署が担当している案件だけを一覧表示。異動があっても、ユーザー側の所属組織を変更するだけで自動的に表示対象が切り替わります。 - 拠点・店舗別の顧客/商品マスタ管理
全社共有の顧客管理・在庫商品管理アプリで、自分の所属拠点のデータだけを表示。全社のデータを1つのアプリにまとめつつ、見える範囲だけを組織で分けられます。 - 人事・労務での自組織メンバー確認
配属管理や勤怠管理アプリで、マネージャーが自分の組織(および傘下の下位組織)のメンバー情報だけを確認できます。部下の異動があっても表示は自動で追従します。 - 稟議・経費申請の処理対象の絞り込み
申請系アプリで、承認担当の部署に該当する申請だけを一覧表示。処理すべき案件がすぐに見つかり、対応漏れの防止にもつながります。 - 問い合わせ・ヘルプデスクの担当振り分け
サポート業務アプリで、自分の所属グループが担当する問い合わせだけを表示。組織単位だけでなく、グループ単位の絞り込みにも応用できます。 - 全社ポータル的アプリでの部署別ダッシュボード
同じアプリを全社で共有しながら、部署ごとにデータを集計・確認できる画面を実現。組織ごとにアプリを分けて作る必要がなくなります。 - 社内お知らせ・掲示板の対象者出し分け
全社向けのお知らせアプリで、自分の所属組織向けに発信された連絡事項だけを表示。無関係な部署の情報に埋もれることなく、必要な連絡だけをすぐに確認できます。
まとめ
「ユーザー組織で絞り込み表示プラグイン」は、次のような方に特におすすめです。
- 複数部署を兼任しているメンバーが多く、標準機能の「優先する組織」だけでは対応しきれない
- 全社共有のアプリを使っているが、自分の部署・拠点のデータだけをすぐに確認したい
- 組織選択フィールドでの絞り込みがうまく効かず困っている
- レコード件数が多く、絞り込み表示のパフォーマンスに不安がある
設定はドロップダウンを3つ選ぶだけとシンプルながら、組織選択フィールド特有のクセや大量データにもしっかり対応した、実務で使える仕上がりのプラグインです。「自分の見たい情報だけを、素早く確認したい」というニーズに、ぜひ活用してみてください。
🧩 プラグインのご紹介
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以下のNote記事で事例を標準機能だけで出来る動的絞り込み表示の設定事例を紹介しています。
記事内で紹介している設定事例は、標準機能だけで出来るので是非挑戦してみて下さい。
「note:アプリ活用研究会(キン活)」は、当サイトのメンバーが執筆しています。

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