複数アプリを横断した集計がしたい
kintoneでデジタル化したのに、アプリの数が増えすぎて業務データの保存場所がバラバラなので、毎月の集計作業では、複数のアプリを開いてグラフ画面で集計し、さらに集計値をメモして電卓で合計するという手作業が発生している本末転倒な状態になっていませんか?
例えば、毎月「案件管理アプリ」から商品別の平均単価を出し、「活動履歴アプリ」から支店別の訪問件数を出している場合、毎回6〜8回ほどのクリック操作を繰り返してグラフを切り替えている方が多いのではないでしょうか。この「アプリを切り替えてデータを収集&集計する」手間が、毎月の積み重ねで大きなタイムロスを生んでいます。
kintoneの標準機能のグラフ操作では「操作中のアプリ内のデータを集計する」だけで、「他アプリのレコード集計値を表示」することはできません。
- 標準グラフの限界: アプリAのグラフ表示画面で、アプリBのデータを一緒に表示できません。
- ダッシュボード(ポータル)の限界: お知らせ掲示板などに複数のグラフを貼り付けることはできますが、集計期間(「今月のデータだけ見たい」など)を一度の操作ですべてのグラフに適用させることはできません。
解決方法:「複数アプリの集計パネル」を作成
今回ご紹介するカスタマイズは、kintoneの「カスタムビュー」という機能を利用します。 あらかじめ設定用のコード(JavaScript)を読み込ませておくことで、カスタムビューを表示した瞬間に、指定した複数のアプリから最新データを吸い上げ、1つの画面に表形式でまとめて表示させます。
この方法の最大のメリットは、「一度、初期設定してしまえば、あとは画面を開くだけで自動的に集計される」という点です。
3. カスタマイズの機能と特徴
このコードには、実務で「これが欲しかった!」と思える5つの特徴があります。
① 2つ以上のアプリを1画面で同時表示
最大の特徴は、アプリの垣根を越えられることです。案件管理、顧客サポート、経費精算など、別々のアプリにある情報を1つのレポートにまとめられます。
② 集計期間を一括指定
すべてのアプリに対して「2025年4月1日から今月末まで」といった共通の期間を適用できます。アプリごとに期間フィルタをかける手間がゼロになります。
③ アプリ別に「集計キー」を自由指定
「アプリAは『商品名』で集計し、アプリBは『支店名』で集計する」といった個別のキー設定が可能です。
④ 多彩な集計方法と複数項目の指定
- 合計 (SUM):売上金額の合計など
- 平均 (AVG):客単価や満足度スコアの平均など
- 件数 (COUNT):問い合わせ数や成約件数など これらを一つのアプリに対して複数(例:売上の合計と、案件の件数を同時に出す)設定することも可能です。
⑤ 集計結果の視認性(CSS対応)
専用のスタイルシート(CSS)をセットで使うことで、kintone標準のデザインに馴染みつつ、数値が見やすい綺麗な表を出力します。
デモ画面
デモ画面では、操作中のアプリにはレコードが1件も登録されていませんが、カスタムビューに切り替えで2種類のアプリのレコードを集計して、集計結果を1画面で表示しています。
この様に、2つ以上のアプリの集計をワンクリック(カスタムビューの表示)でまとめて実行できます

カスタマイズの基本設定の解説
このカスタマイズの最大の特徴は、「メンテナンス性の高さ」にあります。
初心者の方がこのコードを使うために編集する必要があるのは、ファイル冒頭の CONFIG という部分だけです。ここさえ書き換えれば、難しいロジックを知らなくても動作をコントロールできます。
// ==========================================
// 1. 初期設定 (CONFIG)
// ==========================================
const CONFIG = {
TARGET_VIEW_ID: 123456780, // ★表示させたい「表示形式:カスタマイズ」のID
APPS: [
{
id: 100, // 集計したい1つ目のアプリID
keyField: '提案商品', // 集計の軸にするフィールドコード
dateField: '受注予定日', // 期間を絞り込むための日付フィールド
aggregates: [
{ type: 'AVG', field: '売上' } // 平均(AVG)を出したい項目
]
},
{
id: 110, // 集計したい2つ目のアプリID
keyField: '支店名', // 集計の軸にするフィールドコード
dateField: '日付', // 期間を絞り込むための日付フィールド
aggregates: [
{ type: 'COUNT', field: null }, // 件数(COUNT)
{ type: 'SUM', field: '売上額' } // 合計(SUM)
]
}
],
// 共通の集計期間
PERIOD: {
start: '2025-04-01', // 集計開始日
end: '2026-03-31', // 集計終了日
}
};
各項目の詳しい意味
- TARGET_VIEW_ID kintoneの「一覧の作成」で「カスタマイズ」を選択して保存した際に、ブラウザのURL欄に表示される数字(
view=15956989など)を入力します。ここに指定したIDの画面を開いたときだけ、集計が実行されます。 - id (アプリID) 集計対象のアプリを開いたときのURLにある数字です。
- keyField (集計キー) 表の左側に並ぶ項目です。「支店別」「担当者別」「商品種別」など、まとめたい項目のフィールドコードを入力します。
- dateField (日付フィールド) 「いつのデータか」を判定する日付項目のフィールドコードです。
- aggregates (集計方法)
type:'SUM'(合計)、'AVG'(平均)、'COUNT'(件数)から選びます。field: 集計したい数値項目のフィールドコードです。件数(COUNT)の場合はnullと書けばレコード数を数えてくれます。
- PERIOD (期間)
startに集計期間の開始日を入れます。endに集計期間の終了日を入れます。
具体的な活用シーン
この「タブ表示」のカスタマイズを活用できる具体的なシナリオをご提案します。
- 多角的な営業日報レポート
「案件管理アプリ」から見込み金額の合計を出し、同時に「活動履歴アプリ」から訪問件数を集計。営業の「質(金額)」と「量(件数)」を一目で比較できます。 - 店舗別パフォーマンス確認
「売上アプリ」の店舗別合計と、「クレーム管理アプリ」の店舗別発生件数を並べて表示。運営状況が悪い店舗を即座に発見できます。 - プロジェクト別リソース集計
「工数管理アプリ」からプロジェクト別の合計時間を出し、「経費アプリ」からプロジェクト別の支出合計を表示。予算と実績の対比に役立ちます。 - 商品カテゴリー別の分析
「受注アプリ」のカテゴリー別平均単価と、「在庫アプリ」のカテゴリー別在庫数を並列表示。仕入れ判断のスピードが上がります。 - 顧客満足度と対応スピードの相関
「アンケートアプリ」の平均スコアと、「問い合わせ対応アプリ」の平均対応時間を顧客別に集計して、顧客満足度の低下原因を分析できます。
💬 まとめ
kintoneの強みは「必要なアプリをすぐに作れること」ですが、その反面、アプリが増えすぎるとデータがバラバラになりやすいという問題もありました。今回のカスタマイズを使えば、初期設定という「設計図」を少し書き換えるだけで、バラバラのアプリを統合した強力なレポート画面が手に入ります。
「毎月、同じグラフを何度もポチポチ切り替えるのはもう終わりにしたい」 そんな悩みをお持ちの方は、ぜひこのカスタマイズで「自動集計の心地よさ」を体感してみてください。
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| 導入サポート | ✔ | ✔ | ✔ |
| メールサポート | × | ✔ | ✔ |
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