ECRSは、(1)Eliminate(排除)、(2)Combine(統合)、(3)Rearrange(順序入れ替え)、(4)Simplify(簡素化)の頭文字から取ったものです。
ECRSの4原則は、業務改善効果の高い改善ポイント・考え方の順序を示しています。E⇒C⇒R⇒Sの順番に検証していくことで、無駄な業務を減らし、仕事の効率化を図ることができます。
特に「S(簡素化)」は、デジタルツールを活用すると高い効果が期待できる作業改善の分野です。
■排除(Eliminate)
排除しても問題のない業務を検討します。まず、各業務で行っている内容の具体的な理由や目的を洗い出します。明確な理由や目的が見当たらない場合、その業務は単に慣例化していただけといった可能性が考えられます。
たとえば、誰も確認しない報告書の作成業務や、社内ルールや設備の変更で不要になった点検作業項目などを見つけて排除します。ムダな業務を排除することで工数(コスト)そのものを削減できるため、その効果は大きいといえます。
■結合(Combine)
類似している別々の業務を一本化することで、効率が向上するかどうか検討します。
たとえば、重複してる検査方法をまとめて1回に集約する、何枚もあったチェックシートを1枚にまとめるといったことで業務改善ができます。
場合によっては、分離(分散)したほうが効率の良い業務もあるため、柔軟な考え方で取り組むことが重要です。
■交換(Rearrange)
業務の順序や場所を入れ替えることで、効率を向上できないか検討します。
たとえば、頻繁に取り出す部品や工具を、取り出しやすい位置にある物と置き換えることで、動作を減らすなどの改善が該当します。
短縮するタクトタイムが少なくても、長期的に考えれば大きな業務改善・コスト削減に繋がります。
■簡素化(Simplify)
業務の一部を自動化したり、パターン化したりと、できるだけ単純な方法に変えることができないか検討します。
たとえば、1つのパラメータを入力すれば自動計算されるようショートカットを作成する。カメラで形状・サイズの部品(異品)を自動判別し、組み付け作業だけに集中できるようにするなどの改善が該当します。
業務を簡素化することで、誰でも同じクオリティの作業ができるようになるため、属人化を防ぐこともできます。