2025年8月10日のkintoneアップデートで、ログインユーザーの情報取得用APIが拡充されました。
これまで「所属組織」や「グループ(ロール)」の取得は User API を使用する必要があり、カスタマイズの実装が少々大変でしたが、今回の新APIで、kintoneのJavaScript関数で情報を簡単に取れるようになり、実装と運用がぐっと楽になりました。
2025年10月12日のkintoneアップデートで、引数にユーザーcodeを指定することで、ログインユーザー以外のユーザーに対しても実行できるようになりました。
📢 新しく増えた関数(覚えるのは3つだけ)
kintone.getLoginUser(code)
ユーザーの属性情報をまとめて取得
※従来の「コード/表示名」だけでなく、メール、電話、社員番号、言語・タイムゾーン等も取れます。kintone.user.getOrganizations(code)
所属組織+役職を配列で取得(「優先する組織」判定もOK)kintone.user.getGroups(code)
所属グループを取得(システム規定値everyoneは除外処理を推奨)
💻 デモ画面
新しいJavascriptAPIの関数を用いてログインユーザーの情報を取得しているデモ画面です

💡 ここが便利になりました(要点)
- 取得できるユーザー情報が拡張:メールや社員番号など、フォームへの自動セットに使いやすい情報が増えました。
- User APIなしで所属情報が取れる:ユーザーの属性情報や所属する組織・グループの取得がJS関数の戻り値だけでシンプルに実装できるので、従来のRESTAPIの呼び出しが不要です。コード量も減り保守作業もしやすくなります。
- API回数制限の影響外:JavaScript APIはAPI回数制限の対象外。大規模運用でも安心です。
⛳ 使いどころの例
- 新規レコード画面で、ログインユーザーの氏名・社員番号・メールを自動入力。
- ユーザー所属の「優先する組織」や役職を自動セットして、フィールドの表示/非表示の分岐に利用。
- 所属グループを取得して、承認ルートや通知の条件に活用。
📌 具体的な使用例
具体例として、「予算金額」フィールドの表示/非表示を、ユーザーの「優先する組織」が総務部ならば表示、そうでなければ非表示にするカスタマイズコードを、UserAPIとJS関数の2通りで作成してみました。
User API版:(/v1/user/organizations.json)利用
UserAPI版のコードでは、APIのレスポンスに「優先する組織」の情報がありませんので、戻り値の組織情報を全て照合する処理が必要です。
- ユーザー情報API(/v1/users.json)で優先する組織IDを取得する方法もありますが、API使用回数が増えて処理が冗長になるので、戻り値の組織情報を全て照合する方が合理的です。
- ただし、総務部に所属and「優先する組織」が総務部ではないユーザーも対象になります。
- 「優先する組織」が総務部のユーザーだけを対象にする場合は、ユーザー情報APIも必要です。
一方、ユーザーコードを指定すれば任意ユーザーの所属組織も取得できるので用途が広く、REST APIの利点を活かして、外部システム連携にも利用が可能というメリットがあります。
/* ログインユーザーが総務部なら予算金額フィールドを表示する
* User API(/v1/user/organizations.json)版
* Licensed under the MIT License
------------------------------------------------------------*/
(function () {
"use strict";
const EVENTS = ["app.record.create.show","app.record.edit.show","app.record.detail.show"];
kintone.events.on(EVENTS, async (event) => {
const loginUserCode = kintone.getLoginUser().code;
const orgResponse = await kintone.api(kintone.api.url("/v1/user/organizations.json", true), "GET", { code: loginUserCode });
let isShown = false;
for (const orgItem of orgResponse.organizationTitles || []) {
if (orgItem.organization?.name === "総務部") {
isShown = true;
break;
}
}
kintone.app.record.setFieldShown("予算金額", isShown);
return event;
});
})()
新JS関数版:(kintone.user.getOrganizations)を利用
新しいJS関数版は、関数の戻り値だけで組織判定をシンプルに実装できるのがメリットです。
ポイントは、10行目のJS関数版の戻り値(orgs)を操作するfindメソッド(配列の中から最初に条件を満たす要素1件を返す)です。ここで優先組織を探して、もし見つからない場合は、配列の先頭要素 orgs[0] を代わりに使うというフォールバックを1行で実現しています。
これで、コメントを含むコードのステップ数(14行)もUserAPI版のコード(21行)比較すると、7行ほど短いステップ数で作成できました。
さらに、API利用回数制限の対象外なのが、JS関数版の最大のメリットです。
/* ログインユーザーが総務部なら予算金額フィールドを表示する
* JS API(kintone.user.getOrganizations)版
* Licensed under the MIT License
------------------------------------------------------------*/
(function () {
"use strict";
const EVENTS = ["app.record.create.show", "app.record.edit.show", "app.record.detail.show"];
kintone.events.on(EVENTS, async (event) => {
const orgs = await kintone.user.getOrganizations(); // 新しいJavascriptAPI関数
const isShown = (orgs.find(o => o.organization?.primary) ?? orgs[0])?.organization?.name === "総務部";
kintone.app.record.setFieldShown("予算金額", isShown);
return event;
});
})();
🎯 まとめ
新APIで、ログインユーザーの属性・所属・グループをJSだけで安全に・手軽に扱えるようになりました。
条件分岐(表示/非表示・通知・承認)の実装がシンプルになり、RESTの回数制限も気にせず使えます。
ユーザーの所属する組織やグループに応じて処理を分岐する機能を実装するのが便利になりました。
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