中小企業がDXを実践するには、①デジタイゼーション(特定業務のデジタル化)、②デジタライゼーション(業務プロセスのデジタル化)の2段階を経て、DXの真の目的である「組織、プロセス、企業文化・風土を変革」が行える経営基盤を築く必要があります(特に人材教育と意識改革が重要です)。
まずは、①デジタイゼーション(特定業務のデジタル化)から②デジタライゼーション(業務プロセスのデジタル化)で業務のデジタル化に取り組みましょう。
第1段階:デジタイゼーション(Digitization)
デジタイゼーション(Digitization)とは、”特定”業務の効率化やコスト削減、アナログの情報をデジタル化してデータを蓄積できる環境を整えるためにデジタル技術を導入する部分的なデジタル化を指します。例えば、紙で管理していた書類をデジタルツールで管理する、会議をリモートで行う等です。
第2段階:デジタライゼーション(Digitalization)
デジタライゼーションとは、デジタルツールを用いて業務フロー全体を最適化し、自組織の生産性を高めるノウハウが蓄積できる状態です。
例えば、営業活動フロー(商談⇒見積もり⇒打ち合わせ⇒受注確定)を手書きの日報ではなく、デジタライゼーションで入力と情報共有が出来る仕組みを構築すれば、全社員が営業案件を情報共有して応援や引継ぎが出来るようになります。
美容院の顧客カードをデジタライゼーションでアプリ化すれば、顧客別、担当別の来店回数や予約状況を「見える化」して優良顧客の囲い込みサービスの展開に役立ちます。さらに会員登録機能を付加すれば、お客様が使える「美容院予約アプリ」として運用することで、紙の顧客カードよりも質の高い顧客体験を提供することが出来る様になります。
第3段階:デジタルトランスフォーメーション(DX)
デジタルトランスフォーメーション(DX)は、企業のビジネスモデルそのものをデジタル化することです。
DXでは「業務をデジタル化すること」は。ただの手段であり、目的(ゴール)ではありません。
「組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立する」ことを目的(ゴール)と位置づけています。
★経済産業省の「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン」によるDXの定義は以下の通りです。
「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」
参考:デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン(DX 推進ガイドライン)Ver. 1.0
https://www.meti.go.jp/press/2018/12/20181212004/20181212004-1.pdf