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文字列複数行の文字数制限で「見やすい」報告書を作る方法

kintoneの「文字列複数行」には文字数制限がない

 実はkintoneの標準機能では、文字数制限(最小・最大)を設定できるのは「文字列(1行)」フィールドだけです。

「文字列(複数行)」フィールドには、設定画面を見ても文字数を制限する設定項目が存在しません。つまり、標準機能のままでは、ユーザーがどれだけ大量の文字を入力しても、それを制限する手段がないのです。
これが、多くの現場で「報告書がカオス化」してしまう一因となっています。


過剰な「入力し過ぎ」が生む3つの課題

kintoneを導入して現場のペーパーレス化が進むと、次に直面するのが「データの質」の問題です。 特に「文字列(複数行)」フィールドは、自由にいくらでも書けてしまうがゆえに、運用上の悩みの種になりがちです。

「現場から上がってくる報告書が長すぎて、どこが要点なのかさっぱりわからない…」 そんな悩みとストレスを抱える管理者は少なくありません。特に自由記述の「文字列(複数行)」フィールドには、以下のような課題が潜んでいます。

① フォーム全体の視認性が悪くなる

複数行フィールドに数千文字もの長文が入力されると、画面を何度スクロールしても全体が見通せない、いわゆる「縦長の巨大なレコード」が発生します。これでは、他の重要な項目(日付や担当者、数値データなど)が埋もれてしまい、パッと見て状況を把握することができません。

② 情報を整理せず、1つの項目に「丸投げ」入力してしまう

例えば、品質検査報告書で「発生した問題」「原因の究明」「対策と結果」の3つの入力欄を用意しているとします。 本来はそれぞれに分けて入力してほしいのに、最初の「発生した問題」の欄に、その後の対策や結果まですべてまとめて入力してしまう人がいます。これでは、後から「対策だけを抽出して分析したい」と思っても、データとして活用できなくなってしまいます。

③ 「要点を絞る」文化が育たない

報告書は、書くことが目的ではなく「伝えること」が目的です。冗長な表現や、日記のようなダラダラとした長文は、読む側の時間を奪います。入力段階で適度な制約を設けないと、組織全体に「要点を簡潔にまとめる」という意識が定着しません。

報告書は、3行で構成するとスッキリとわかりやすくなります。
報告書のスタイルを構造化する習慣を身に着けることは、ビジネスの習慣としてとても重要です。

3行報告書の基本構成(結論・理由・次アクション)

  1. 【結論】(要点・結果・進捗)
  2. 【理由・詳細】(なぜそうなったか、具体的な数値、課題)
  3. 【次アクション】(今後どうするか、期限、相談内容など) 

解決策:カスタマイズで文字数制限

そこで今回ご紹介するのが、「保存時の文字数バリデーション(チェック)カスタマイズ」です。

どんな機能か?

非常にシンプルです。設定した文字数(例:100文字)を超えて入力された状態で「保存」ボタンを押すと、画面に「文字数が多すぎます」という警告(アラート)が表示され、保存ができないようになります。

このカスタマイズの狙い

最大の狙いは、「システムによる入力ルールの強制」です。

  • 「あとで注意する」手間をなくす
    これまでは、長すぎる報告書を見つけるたびに管理者が「もう少し短く書いてください」と注意していたかもしれません。カスタマイズを導入すれば、システムがその場で自動的にチェックしてくれるため、管理者の心理的負担と工数が削減されます。
  • 「分ける」を促す
    2つ以上の各入力欄に文字数制限があれば、ユーザーは「要点だけを分割して記入する必要がある」と、思考を切り替えるようになります。
  • データの標準化 入力される情報の粒度が揃うため、一覧画面で見た時も非常にスッキリとし、会議での情報共有スピードが格段にアップします。

デモ画面

このカスタマイズを実行すると、文字列複数行のフィールドに文字数の制限を設定できます。
レコード保存で文字数のバリデーションチェックを行い、入力された文字数が設定値を超えている場合は、警告dialogを表示します。


具体的な活用シーンで見る業務改善のビフォーアフター

この「文字数制限」のカスタマイズは、報告書以外にもさまざまな業務で活用できます。

① 営業の日報・週報(要点報告)

営業マンは外回りで忙しく、日報が「今日あったことの羅列」になりがちです。 「本日の気づき」欄を150文字程度に制限することで、最も重要な商談のポイントだけを抽出して報告させる習慣がつきます。上司も短い時間で多くのアドバイスを送れるようになります。

② カスタマーサポートの「問い合わせ概要」

お客様からの問い合わせ内容を詳細に残すのは大切ですが、一覧画面でパッと見て内容がわかる「概要」も必要です。 「問い合わせ詳細」は無制限にしつつ、別に設けた「30文字概要」フィールドに制限をかけることで、履歴管理が圧倒的にスムーズになります。

③ 社内SNS・チャット風の「ひとこと連絡」

現場の進捗をチャット感覚で入力するアプリの場合、1回の投稿を短く制限します。 これにより、メールのような丁寧すぎる挨拶を省き、「〇〇完了」「△△で待機中」といったライブ感のある情報交換を促進できます。

④ 設備点検の「異常内容」

工場の設備点検などで、異常があった場合の内容入力です。 ここを長文可能にすると、「いつから、誰が、どう感じて……」という経緯まで書かれてしまいます。文字数を絞ることで、「異音あり」「油漏れ微量」といった、次のアクションに直結する事実のみを記録させることができます。

⑤ 広報・Webサイト掲載用の「紹介文」

自社のWebサイトやカタログに掲載する情報を管理するアプリです。 デザイン上、文字数が決まっている場合にこのカスタマイズは必須です。「40文字以内」と設定しておけば、kintoneからデータを取り出してWebサイトに載せる際に「文字がはみ出してデザインが崩れる」という事故を未然に防げます。


💬 まとめ:規律のある制限が、情報の質的向上を促す

kintoneは自由度が高いツールですが、自由すぎることが逆に「使いづらさ」を招くこともあります。

今回ご紹介した「文字数制限」のカスタマイズは、規則でユーザーを縛り付けるためのものではありません。
むしろ、情報を整理しやすくするための「ガイドライン」になります。

初期設定で、「フィールドコード」と「制限したい文字数」を決めるだけで導入できるこのカスタマイズ。まずは、社内で一番「読みづらくなっている報告書」のアプリから試してみてはいかがでしょうか?


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以下のNote記事で本記事のカスタマイズ事例を紹介しています。
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