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ルックアップ風の動的絞り込み検索で入力時間を削減!

1. はじめに

kintoneのルックアップ機能の利用が業務のボトルネックになっていませんか?

kintoneを導入する最大のメリットの一つは、アプリ間でデータを連携できる「ルックアップ機能」です。
顧客マスタや商品マスタからデータを引っ張ってくることで、入力の省力化や表記ゆれを防ぎ、情報の整合性を保つことができます。

しかし、導入当初は快適だったこの機能も、運用が軌道に乗り、参照元マスタのレコード件数が増えてくると、ある「深刻な問題」が発生します。

例えば、下記の様な現象です

  • 顧客名を選択しようとしても、似たような名前が多くてスクロールが止まらない
  • 「商品コードが複雑すぎて、いちいち検索窓に打ち込むのが苦痛
  • 現在の作業に関係のないデータまで候補に出てきてしまい、選択ミスが起きる

こうした「ルックアップの壁」は、現場の入力担当者のストレスを増大させ、結果として業務全体のスピードを著しく低下させます。

今回は、受注入力業務をモデルケースに、この問題をどう解決すべきか深掘りしていきます。


2. 毎日の入力時間の大半が「検索」に消えていた

ある商社 A社の受注センターでは、毎日大量の注文情報をkintoneの「受注管理アプリ」に入力しています。

現在の作業状況

  • 作業内容: 顧客から届く注文書をもとに、顧客名と商品名を選択して登録。
  • ルックアップの使用: 「顧客マスタ」と「商品マスタ」から情報を取得。
  • 作業時間: 毎日平均120分(2時間)。

現場が抱える具体的な悩み

担当者は、毎日の入力作業で以下の2つの大きなストレスを抱えています。

① 顧客ルックアップの「無限スクロール」地獄

顧客マスタには全国数千社のデータが登録されています。ルックアップの選択画面はデフォルトでは「あいうえお順」等で表示されますが、特定の地域や担当部署に絞り込まれていないため、目的の会社を探すために何度もスクロールを繰り返さなければなりません。

② 商品コードという「暗号」との戦い

商品マスタも数万件のアイテムがあります。熟練の担当者は商品コードを暗記していますが、新人は商品コードがわからず、ルックアップ画面で毎回「名称検索」をかけます。しかし、類似商品が多すぎて、結局どれが正しいのか分からず、マスタを別画面で開き直して確認するという二度手間が発生しています。

業務改善のインパクト

もし、このルックアップ作業が劇的に効率化され、入力時間が半分(50%削減)になったらどうなるでしょうか?

  • 1日あたりの削減時間: 60分(120分×50%)
  • 月間の稼働日数: 22日
  • 合計削減時間: 1,320分 = 22時間

1人あたり月に22時間。これは、丸3日分の労働時間に相当します。この時間を、より付加価値の高い顧客対応や分析業務に充てることができれば、企業の生産性は飛躍的に向上します。


3. 解決策:「ルックアップ風の絞り込み検索機能」の導入

標準機能のルックアップでも、あらかじめ「絞り込み条件」を設定しておくことは可能ですが、標準機能だけでは「画面の入力値で動的な絞り込みができない」という弱点があります。

そこでご紹介したいのが、「ルックアップ風の絞り込み検索機能」のカスタマイズです。

このカスタマイズで、「他のフィールドの入力値で、ルックアップ風の選択一覧をで絞り込み表示する」という操作が可能になります。

デモ画面

デモ画面では、レコード数が1万件以上ある商品マスタの商品名をキーワード検索して、ルックアップ風の動作を実現する機能をJavascriptカスタマイズで実装しています。


4. 具体的な実装イメージ:入力負荷をどう削るか?

前述のシナリオに基づき、このカスタマイズ方法をどう活用して「入力作業のムダ時間」を削減するか、具体的な構成案を解説します。

活用例①:顧客ルックアップを担当部署で絞り込む

【設定内容】

  1. 受注アプリに「担当部署」を選択するドロップダウンを作成。
  2. 「顧客マスタ」に、その顧客を担当する「部署名」のフィールドを持たせる。
  3. プラグインを設定し、「担当部署」フィールドで選択された値と一致する顧客だけをルックアップ候補に表示させる。

【効果】 入力担当者が「東京営業部」を選択すれば、ルックアップ画面には東京営業部が担当する顧客(例えば5,000件中の300件)だけが表示されます。スクロールの手間が1/10以下になり、探すストレスが解消されます。

活用例②:商品ルックアップを「大分類・中分類」で段階的に絞り込む

【設定内容】

  1. 受注アプリに「商品大分類(例:家具)」「商品中分類(例:椅子)」という2つのドロップダウンを配置。
  2. プラグインにより、「大分類=家具」が選ばれたら、中分類には「椅子、机、棚…」だけが表示されるように制御。
  3. さらに、ルックアップフィールドは「大分類」と「中分類」の両方に合致する商品だけを表示するように設定。

【効果】 「商品コード」という暗号を覚える必要はありません。「家具 > 椅子」と選択していくだけで、ルックアップを開いたときには既に数十件の候補にまで絞り込まれています。これなら、新人スタッフでも迷わず、正確に、高速に入力を進めることができます。


5. 導入による「定量的・定性的」メリット

定量的メリット:コスト削減

先ほどの計算通り、月22時間の削減ができれば、残業代の抑制や、派遣スタッフの増員を回避することに直結します。

  • 時給1,500円のスタッフであれば、1,500円 × 22時間 = 月33,000円のコストカット
  • 年間で 約40万円 もの効果が、たった1つのプラグイン導入で期待できるのです。

定性的メリット:従業員満足度の向上

「データが見つからない」「入力しにくい」というストレスは、チリも積もれば山となり、従業員のモチベーションを削ります。入力がスムーズになることは、現場の「心理的安全性」を高め、入力ミス(人為的エラー)の防止にもつながります。


6. まとめ

kintoneにおけるルックアップ機能は、業務の根幹を支える機能です。しかし、その「探しにくさ」を放置することは、せっかくのデータ活用を台無しにするリスクを孕んでいます。

「マスタが増えてきて入力が大変だ」と感じ始めたら、それはシステムが成長している証拠でもあります。その成長を止めるのではなく、本記事で紹介したJavascriptカスタマイズや、ルックアップ絞り込みプラグインのような便利ツールを活用して、システムの利便性を次のステージへ引き上げましょう。

毎日の作業時間を効率アップして生み出された「時間」で、あなたならどんな新しい業務に挑戦しますか?


【製品情報】
今回ご紹介したプラグインの詳細は、以下の公式サイトよりご確認いただけます。 無料お試し期間も用意されていますので、まずは自社の受注アプリでその効果を体感してみてはいかがでしょうか。

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Javascriotカスタマイズは、少しハードルが高いです💦 という方はこちらもご検討下さい。


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以下のNote記事で本記事のカスタマイズ事例を紹介しています。
記事内で紹介しているカスタマイズコードは、無料で利用できるので是非挑戦してみて下さい。

Kintoneで自動ルックアップ機能|アプリ活用研究会(キン活)
Kintoneのルックアップ機能は便利ですが、自動実行機能はありません。 例えば、顧客マスタを別アプリからルックアップした後、参照元である顧客マスタの値(例えば顧客名)が変更されても、参照先アプリのルックアップフィールドの値は、再度ルックアップを実行しない限り更新されません。 旧い記録を保存するアプリでは「その方が都合が良い」とう場合もあると思いますが、案件管理アプリの様にレコードが頻繁に更新されるアプリでは、ルックアップフィールド(例えば、顧客名、部署名、先方担当者名等)は...
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