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レコード一覧表の一部を「見せない」改善事例

レコード一覧表の選択肢が多すぎる!

 Kintone(キントーン)を使い込んでいくうちに、誰もが一度は直面する「一覧(ビュー)が増えすぎて、どれを見ればいいのかわからない」という問題。
 アプリが成長し、業務に欠かせないツールになればなるほど、蓄積されたデータ閲覧用の切り口(一覧表)も増えていきます。しかし選択肢が多すぎると、時にユーザーの生産性を著しく低下させる要因となります。

 今回は、最新のKintone APIを活用した「レコード一覧表の表示ON/OFF切り替え機能」が、どのように現場のストレスを解消し、業務改善に貢献するのかを詳しく解説します。

現場を悩ませる「一覧(ビュー)増殖」の壁

 Kintoneの魅力の一つに、蓄積されたデータを見たい切り口(絞り込み条件と並び替え)で自由に「一覧表」を作成できる柔軟性があります。「今月の未処理一覧」「担当者別一覧」「承認済みデータ」など、用途に合わせて「一覧表」を増やせるのは非常に便利です。
しかし、運用が1年、2年と続いていくと、以下のような「負の側面」が目立つようになります。

① 認知負荷の増大:探すだけで一苦労

一覧のドロップダウンリストを開いたとき、20個、30個と選択肢が並んでいる光景を見たことはありませんか? 人間が瞬時に判断できる選択肢の数には限界があります。多くの選択肢の中から目的の一覧を探し出す作業は、たとえ数秒のことでも、積み重なれば大きなストレスとなり、ミスを誘発する原因にもなります。

②「自分には関係ない」情報のノイズ

営業担当者には必要なビューでも、経理担当者には全く不要な場合があります。また、一般ユーザーには見せる必要のない「システム管理者用のチェック用ビュー」が混在していると、ユーザーは「どれを触っていいのか」と不安を感じてしまいます。

③ データ管理上のリスク

「重複データ確認用」や「一括更新用」など、特定の作業時のみ使用するビューが一般に公開されているのは、誤操作のリスクを高めます。消すわけにはいかないけれど、普段は見せたくない。このジレンマが管理者を悩ませてきました。


解決のヒント:最新API活用による「スマートな引き算」

これまでKintoneでは、レコード一覧表の「一部を非表示にする」という制御を柔軟に行うことは困難でしたが、2026年01月のkintoneのアップデートで「レコード一覧の表示/非表示を切り替えるAPI」が公開されました。
これにより、API制御で動的にドロップダウンリストの中身を制御することが可能になったのです。

一覧を選択するパーツの選択肢の表示/非表示を切り替える
レコード一覧画面およびグラフ画面にある、一覧の表示を切り替えるドロップダウンの選択肢の表示/非表示を切り替えます。

この 「必要な場合に、必要な部分だけのレコード一覧表を見せる。」 この「引き算」のカスタマイズこそが、複雑化したKintoneアプリに最も求められている改善策です。

デモ画面

このカスタマイズを実行すると、下記画面の様にレコード一覧表の選択肢を減らすことができます。
状況(アプリのアクセス権や特定の日付など)に応じて表示する「一覧表」を選択できます


具体的な活用シーンで見る業務改善のビフォーアフター

このカスタマイズを導入することで、具体的にどのような変化が生まれるのか。3つの事例を通してご紹介します。


事例①:期間限定のビュー管理

【活用シーン:年度末決算、期間限定キャンペーン、棚卸業務】

  • 課題: 年に一度、あるいは特定の1ヶ月間だけ使用する「棚卸専用一覧」。期間外は全く使いませんが、来年も同じ設定を使いたいので削除はできません。これが1年を通してお気に入りリストの一等地に居座り続け、日常業務の邪魔になっていました。
  • 解決策: 業務期間が終わった瞬間に、プラグインで「非表示」に設定します。
  • メリット: 設定値(絞り込み条件や表示項目)はKintone標準機能として保持されたまま、ユーザーの目には触れなくなります。来年、またその時期が来たら設定を「表示」に戻すだけ。わずか数秒で、前年と同じ環境が復旧します。

事例②:管理者専用のメンテナンス用ビューの隠蔽

【活用シーン:データ移行、重複チェック、システム連携デバッグ】

  • 課題: 管理者がデータメンテナンスのために作成した「ID確認用一覧」や「修正用一覧」。一般ユーザーが誤ってこのビューを開き、データを書き換えてしまったり、情報の多さに混乱したりするトラブルが発生していました。
  • 解決策: メンテナンス用のビューを全て「非表示」に設定し、管理者のみがアクセスできる設定にします。
  • メリット: 一般ユーザーの画面には「今、自分が使うべき業務ビュー」だけが並びます。迷いが消えることで、操作ミスの防止と心理的安全性の向上につながります。管理者は必要な時だけ「管理者設定」を切り替えて作業を行えます。

事例③:アーカイブデータの「隠し場所」

【活用シーン:過去数年分の履歴参照、完了済み案件の保管】

  • 課題: 「過去5年分の履歴一覧」など、たまに参照する必要はあるけれど、普段は不要なデータ。これらが一覧リストに並んでいると、最新のデータを探す際のノイズになります。
  • 解決策: 通常時はこれらを非表示に。参照が必要になったタイミング、あるいは特定の問い合わせがあった時だけ、一時的に「表示」に変更します。
  • メリット: 情報の「断捨離」が可能になります。アプリを軽く、使いやすく保ちながら、データとしての価値(いつでも見返せる状態)を損なうことがありません。

「見えない」ことが生む3つの大きなメリット

このカスタマイズで得られる効果は、単に「一覧表選択の画面が綺麗になる」だけではありません。

メリット1:認知コストの削減による生産性向上

「選択する」という行為には「検索と認知」という作業コストが発生します。1日の中で何度も行う一覧の切り替え。そのたびに目的の項目を「探す」ストレスをゼロにすることで、ユーザーは本来の業務(データの入力や分析)に集中できるようになります。

メリット2:教育コストの削減

新入社員や異動してきたメンバーにとって、大量の一覧があるアプリは「難しそう」という先入観を与えます。表示を最小限に絞ることで、操作方法がシンプルになり、教育コストを大幅に下げることができます。

メリット3:Kintoneの「ガバナンス」強化

管理者だけが見るべきデータ、特定の時期(決算期など)だけ公開すべき手順。これらをシステム的に制御することで、現場のルールが自然と守られる環境(ガードレール)を構築できます。


💬 まとめ:育ちすぎたアプリに「余白」を取り戻そう

Kintoneは、使えば使うほど「便利」になります。しかし、便利さを追求して「足し算」ばかりを繰り返すと、いつの間にか使いにくさという「負債」が溜まってしまいます。

アプリが成長し、一覧の数が増えてきたら、それは「表示制御」を検討すべきサインです。

今回ご紹介したカスタマイズ事例を使えば、今のアプリを「今の業務に最適な姿」へ整えることができます。
不要なものを隠し、必要なものだけにフォーカスする。そんな「余白」のあるアプリ設計が、現場のムダと負担を減らし、業務改善を加速させます。

「最近、アプリが使い難くなってきたな」と感じている管理者の皆様、ぜひこの「引き算のカスタマイズ」を試してみませんか?


🔨 自分でカスタマイズしてみたい方へ

以下のNote記事で本記事のカスタマイズ事例を紹介しています。
記事内で紹介しているカスタマイズコードは、無料で利用できるので是非挑戦してみて下さい。

新API:レコード一覧表のアクセス制限(表示/非表示)が可能!|アプリ活用研究会(キン活)
はじめに:新APIの紹介 2026年01月11日のkintoneアップデートで、新しいJavascriptAPIが幾つか発表されましたが、その中にレコード一覧画面およびグラフ画面のビュー切替用のドロップダウンリストから選択肢の表示/非表示を切り替える新関数がありましたので、使い方を試してみました。 レコード一覧表のアクセス制限が可能に! このAPIは、多くのkintone管理者が要望していた「レコード一覧表のアクセス制限」の機能を、UI更新(表示/非表示)で疑似的に実現してく...
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🧩 プラグインのご紹介

当社が開発した「レコード一覧表の選択肢の表示制御」プラグインをご紹介します。
Javascriotカスタマイズは、少しハードルが高いです💦 という方はこちらもご検討下さい。

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料金プラン

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◆簡易サポート契約では、当サイトのアプリテンプレートとプラグインを合計6種類までご利用できます。
◆会員サポート契約では、ご利用範囲「無制限」で運用ヘルプデスク対応までフルサービスでご提供します。

項目 単品販売 簡易サポート 会員サポート
料金体系 60,000円 (税抜) 120,000円 (税抜) 360,000円 (税抜)
契約期間 なし 毎年更新 6か月更新
導入サポート
メールサポート ×
チャットサポート ×
バージョンアップ対応 ×
運用ヘルプデスク対応 × ×
商品のご利用範囲 本商品のみ 6種類までご利用可能
ユーザー数10名まで
無制限
ユーザー数30名まで
お問い合わせ/お申し込み 購入する お申込み

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