1️⃣ 新機能のJS関数でできること
2025年10月12日のkintoneアップデートで追加された
kintone.app.record.isFieldVisible() と
kintone.app.record.isGroupFieldOpen() は、
「フィールドの表示状態」と「グループの開閉状態」をリアルタイムに取得できる新しいJS関数です。
この新しい機能を使うと、ユーザーに「必要な情報だけを見せる」ことができるようになります。
例えば、次のようなことが簡単にできます。
- 入力のときは表示して、閲覧のときは隠す
- たくさんの入力項目があるフォームを、ユーザーに関係のある項目に絞って表示する
- 状況に応じて、特定の項目だけ自動的に表示・非表示を切り替える
つまり、「見る人」「使う場面」に合わせて表示する項目を変えることができるのです。
2️⃣ どんなメリットがあるの?
このような“表示の切り替え”を取り入れると、業務アプリの操作性がぐっと上がります。
| メリット | 内容 |
|---|---|
| 🎯 見やすくなる | 不要な項目を隠して、必要な情報だけを表示できる |
| ⚡ 入力ミスを防げる | 必要なときだけ入力欄を出すことで、誤入力を防止 |
| 👀 探す手間が減る | 長いフォームでも、開閉式にすることで整理できる |
| 📱 現場でも使いやすい | スマホやタブレットの画面でもスッキリ見せられる |
💻 デモ画面
デモ画面の仕様では、売上高、受注予定日の表示/非表示、グループ状態の開閉を制御しています。
フィールドの表示/非表示やグループ開閉の切り替えだけではありません。
現在の画面表示の状況を取得する機能があるので、リアルタイムで表示を変更できます。
🔍 デモ画面の仕様まとめ
| 条件 | フィールド表示 | グループ状態 |
|---|---|---|
| 1.営業部以外 | 売上情報は全て非表示 | 閉じる |
| 2.営業部 & 確度 < 80% | 確度・商談フェーズのみ表示 | 閉じる |
| 3.営業部 & 確度 ≥ 80% | 確度・商談フェーズ・売上高・受注予定日表示 | 開く |
ログインユーザーの名前と所属組織の情報をAPI関数で自動取得して画面上に表示しています。
デモ画面1は、条件1で営業部に所属していないユーザーが見ている画面です。
売上情報のフィールドは全て非表示の状態で、詳細グループも閉じられた状態です。
デモ画面1

デモ画面2
デモ画面2は、営業部に所属しているユーザーが見ている画面で、確度が60%と80%の案件レコードを切り替え表示しています。確度が60%(80%未満)の場合は、売上と受注予定日が非表示です。
確度が80%以上の場合は、売上と受注予定日が表示されて詳細グループの情報も自動的に開きます。

3️⃣ 実際の活用事例5選
💡 ① 閲覧モードでは「詳細情報」を自動で閉じる
見積書や契約書のように、項目が多いフォームでは、
詳細グループを初期状態で閉じておくとスッキリ見やすくなります。
💡 ② チェックボックスがオンのときだけ補足欄を表示
「備考」や「補足説明」など、必要なときだけ出したい項目を
チェックボックスのON/OFFで表示切り替え。入力ミスを防ぎます。
💡 ③ プロセス管理のステータスが「承認」なら編集禁止
プロセス管理で「承認」された後にレコードの内容を編集されたくない。
レコードの編集権限があるユーザーでも「承認」後は編集させたくない。
アクセス権とは別に、レコードのステータス情報を読み取り「承認」ならば、全てのフィールドを編集禁止にするカスタマイズが可能です。
💡 ④ 重要な変更点があるときだけ「履歴」グループを開く
変更内容があるときだけ履歴グループを展開し、
差分確認が必要ないときは閉じておくことで画面をシンプルに。
💡 ⑤ 「表示切り替え」ボタンでモードを変更
ボタンクリックで、「簡易モード(必要項目のみ表示)」と
「詳細モード(全項目表示)」を切り替えることも可能です。
1つの画面で状況に応じて使い分けられます。
4️⃣ 注意しておきたいポイント
- カスタマイズが反映されるタイミング
画面が表示された直後(レコード詳細画面など)に設定するのが安全です。 - スマートフォン版では動作が異なる場合があります
モバイル対応の有無は事前に確認しておきましょう。 - 複雑な条件切り替えは設計をシンプルに
あまり多くの項目を連動させると、逆に操作が分かりづらくなります。
5️⃣ まとめ
kintoneのフォームを“見せたり隠したり”するだけで、ユーザーの操作体験(UX)は驚くほど向上します。
特に、次のような場面で効果的です。
- 入力項目が多いアプリ
- 現場スタッフや営業担当がモバイルで使うアプリ
- 入力ミスや確認漏れを減らしたい業務
これらのカスタマイズは、少しのコード追加で実現できるので、
「見やすく・使いやすいkintoneアプリ」を目指す方はぜひ試してみてください。
✍️ おわりに
今回紹介した “表示切り替え” は、
「見せ方を工夫して、使う人を迷わせない」ための第一歩です。
kintoneは標準機能の設定だけでできることも多いですが、JavaScriptカスタマイズを組み合わせることで、
「現場にフィットするアプリ」 に変えることができます。
📘 参考リンク(公式ドキュメント)
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| 簡易サポート | 会員サポート | |
|---|---|---|
| 料金 | 税抜(1,000円×ユーザー数)/月 | 税抜(5,000円×ユーザー数)/月 |
| サービス内容 | プラグインとテンプレートの利用 | kintone運用の伴走支援 |
| プラグインと テンプレートのご利用 | 5種類まで | 無制限 |
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