「kintoneでアプリを作成したけれど、あと一歩、かゆいところに手が届かない……」そんな悩みをお持ちではありませんか?
今回は、多くの管理担当者が頭を抱える「社外の人や、アカウントを持たない人への備品貸出管理」をテーマに、入力漏れをゼロにするためのスマートな解決策をご紹介します。難しいプログラムの解説は抜きにして、このカスタマイズがどの様に業務を効率化するのか、その可能性を紐解いていきましょう。
やりたいこと:アプリ上で「業務ルール」を完全に再現する
今回のシナリオは、社内のPCや備品を、kintoneアカウントを持っていないスタッフや外部パートナーへ貸し出す際の「利用者登録」です。
備品管理者の皆さんが最も避けたいのは、「返却期限が過ぎたのに、誰にも連絡が取れない」という事態です。これを防ぐためには、登録時に以下の業務ルールを徹底させる必要があります。
- ルール: 「電話番号」か「メールアドレス」、どちらか一方は必ず登録すること(OR条件)。
- 目的: 督促連絡(リマインド)の手段を最低一つは確保し、備品の紛失リスクを最小限に抑える。
理想は、入力担当者がうっかり両方を空欄のまま保存しようとしたとき、kintoneアプリが「おっと、どちらかは必ず入力してくださいね!」と正しいルールに導いてくれる状態です。
デモ画面
デモ画面では、連絡方法の「電話番号」と「Eメール」の両方が空白の場合は、エラーを表示して保存できない様にしています。いずれか片方(デモ画面ではEメール)が入力されたら保存できるようになります。

標準機能では「どちらか片方」が難しい理由
kintone標準の「必須項目」設定には少しだけ融通が利かない部分があります。
「AND」は得意だけど「OR」は苦手
kintoneの設定画面で「必須項目にする」にチェックを入れると、その項目は「絶対に」入力しなければならなくなります。
- 電話を必須にすると…:メールだけの人が登録できず困る。
- メールを必須にすると…:電話しかない現場の人が登録できず困る。
- 両方を必須にすると…:入力の手間が倍になり、両方持っていないと登録すらできない。
現場が求めているのは、「AまたはB、どちらかがあればOK」という柔軟なルールです。しかし、標準機能の必須チェックは「その項目単体」でしか判定できないため、複数の項目を組み合わせた条件付け(OR条件)ができないのです。
結果として「入力必須にしないけど、どちらかは登録しておいてね」といった曖昧な運用になり、結局どちらも入力されないまま保存されてしまう……という課題が残ってしまいます。
簡単なカスタマイズで課題を解決!
この「標準機能のあと一歩」を埋めるのが、JavaScriptによるカスタマイズです。
「プログラムなんて難しそう……」と思われるかもしれませんが、安心してください。以下のサンプルコードをアプリに読み込ませるだけで、業務ルールに則った入力規則を簡単に実装できます。
初期設定の2つのフィールドコードをアプリの設定にあわせて変更するだけで動作します。
/* 2つ以上のフィールドの入力をチェックする
* どちらにも値が入力されていない場合は保存でエラーにする
* Distributor: https://note.com/appgroup
* Copyright (c) 2026 dejitora.jp
* Licensed under the MIT License
------------------------------------------------------------*/
(function() {
'use strict';
// 【初期設定】フィールドコードの宣言
const CONFIG = {
field1: '電話番号',
field2: 'Eメール'
};
// 保存実行前イベント(新規登録・編集)
kintone.events.on(['app.record.create.submit', 'app.record.edit.submit'], function(event) {
const record = event.record;
// 設定した変数を使って値を取得
const val1 = record[CONFIG.field1].value;
const val2 = record[CONFIG.field2].value;
// 両方のフィールドが未入力かチェック
if (!val1 && !val2) {
// 保存をキャンセルしてアラートを表示
event.error = '「' + CONFIG.field1 + '」または「' + CONFIG.field2 + '」のいずれかを入力してください。';
// フィールド個別のエラー表示
record[CONFIG.field1].error = 'どちらかの入力が必要です';
record[CONFIG.field2].error = 'どちらかの入力が必要です';
}
return event;
});
})();
カスタマイズ導入後の動き
この機能を導入すると、アプリの挙動は次のように変わります。
- 保存ボタンを押した瞬間に、kintoneが「電話」と「メール」の両方の空欄をチェックします。
- もし両方入力無しの場合は、画面上に「連絡先をどちらか入力してください」とアラート表示します。
- さらに保存をキャンセルします。入力ルールに違反したデータは保存できません。
担当者がルールを覚えてなくても、画面の指示に従うだけで「正しいデータ」だけを登録できる様になります。
カスタマイズを業務へ展開する事例
「どちらか片方が入力されていればOK」というこの仕組み。実は備品管理以外にも、多くのシーンで業務の精度を劇的に向上させます。代表的な5つの事例を見てみましょう。
① 顧客管理:郵送かメールか、案内送付先の確保
お客様に資料を送る際、「住所」か「メールアドレス」のどちらか一方は必須にしたいケースです。
- 効果: 「送付先不明」の顧客リストが混じり込むのを防ぎ、マーケティング活動の空振りを減らします。
② イベント受付:当日の連絡手段の徹底
セミナーや展示会の来場予約で、急な予定変更を伝えるために「携帯電話」か「LINE ID」のどちらかを必須にします。
- 効果: 台風などの急な中止決定時に「連絡が取れない参加者」を出さず、クレームを未然に防ぎます。
③ 採用管理:候補者へのスムーズなアプローチ
求人応募者の登録で、「電話番号」か「SNSアカウント」のいずれかを必須にします。
- 効果: 優秀な人材を見つけた際、採用担当者が即座にコンタクトを取れる状態を維持します。
まとめ:実務に沿った「動くルール」を作ろう
kintoneを単なる記録ツールから、業務ルールを支える仕組みにするためには、「アプリが業務ルールに則った動作をする」必要があります。
標準機能だけではできない、とあきらめて運用ルール(ユーザーへの注意喚起)だけでカバーしようとすると、必ず漏れが生じます。そして、その漏れを後からリカバーするために、管理者は多大な時間と労力を費やすことになります。
本カスタマイズがもたらす効果
- 入力漏れ・ミスがゼロに: システムがガードするため、督促不能なデータは存在しなくなります。
- ストレスの軽減: 「連絡先が入っていない!」と後で注意することも、探しまわることもなくなります。
- 現場に優しい柔軟性: どちらでも良いという「ゆとり」があるため、入力担当者の負担も最小限です。
「小さなこだわり」こそが、大きな業務効率化の第一歩です。今回のカスタマイズをきっかけに、あなたのkintoneアプリを「業務を支える仕組み」進化させてみませんか?
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| 項目 | 単品販売 | 簡易サポート | 会員サポート |
|---|---|---|---|
| 料金体系 | 60,000円 (税抜) | 120,000円 (税抜) | 360,000円 (税抜) |
| 契約期間 | なし | 毎年更新 | 6か月更新 |
| 導入サポート | ✔ | ✔ | ✔ |
| メールサポート | × | ✔ | ✔ |
| チャットサポート | × | ✔ | ✔ |
| バージョンアップ対応 | × | ✔ | ✔ |
| 運用ヘルプデスク対応 | × | × | ✔ |
| 商品のご利用範囲 | 本商品のみ | 6種類までご利用可能 ユーザー数10名まで |
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